ぼぎ子の恐怖図書館

好奇心には道徳がないのであります

漂流教室 ネタバレ レビュー①

漂流教室 小学館文庫全6巻

 

怒涛の展開!漂流教室。その先見性に驚く!

奇抜な衣装に「ぐわしっ」と奇妙な言動のイメージがある楳図かずお氏ですが、

実は手塚治虫文化賞アングレーム国際漫画祭・遺産賞を受賞していたりとすごい人なんです。ミステリの大御所、綾辻行人氏も「」と仰ぐ偉大な漫画家の代表作。

読み始めたら息着く暇もない『漂流教室』全6巻のレビューです。

 

オススメ:⭐️⭐️⭐️⭐️

  ※星の付け方については↓の記事をご参照ください

bogibogiko.hatenablog.com

漂流教室』作品概要

漂流教室』(ひょうりゅうきょうしつ)は楳図かずおの漫画で小学館の『週刊少年サンデー』にて1972から1974にかけて連載されたSF冒険漫画です。

1987年に映画化され、2002年にはフジテレビ系列でドラマ化された大人気の漫画。

 

似ている作品

小説 15少年漂流記(ジュール・ヴェルヌ)、新宝島江戸川乱歩

アニメ Sonny Boy(サニーボーイ) 

ドラマ 漂流教室-ロングラブレター-(内容が小学生から高校生へ)

 

楳図かずお氏は「『15少年漂流記』を学校ぐるみでやる!」という構想から本作にとりかかったそうです。『15少年漂流記』では少年たちは島に流れ着きますが、漂流教室では小学生たちが未来へ漂流してしまいます。

Sonny Boy(サニーボーイ)はTOKYOMXで放送されていたアニメですが、キャラデザの江川寿史さん好きでみてました。高校生が謎の世界に閉じ込められたお話です。今風の高校生たちのシャレオツなサバイバル生活。

漂流教室-ロングラブレター-はフジテレビ系列で放送していたドラマですが、内容が小学生から高校生とその先生になっています。みんな高校生漂流させたがりますね。

さらに劇場公開映画にもなっていますが、こちらは監督も「完全な請負仕事で職業監督に徹した」という悪夢のようなコメントを残す問題作に仕上がっています。

 

怖いもの見たさで観てみました……主人公が通う学校がインターナショナルスクールという設定になっており、飛び交う英語と突如始まるミュージカル調のダンスなど色々と困惑する内容

 

youtu.be

  • ;:゙;`;:゙;`;:゙;`ヽ(゚∀゚ゞ)ブッ

 

あらすじ(ネタバレ)∀`)ナガイヨー♪

 

高松翔は、大和小学校の6年生。ある朝、翔は母親とケンカをしたまま学校に行き、地震に襲われる。揺れがおさまるとそこは見渡す限り砂漠の荒れ果てた大地に変貌していた。電気もないし電話も通じない!突然の出来事にパニックに陥り、教師たちは全員死んでしまいます。

(2巻の冒頭で息絶える教師陣(*´ω`)ハヤァ)

 

 翔たち高学年の生徒が低学年の生徒の親となり、探検隊を結成したり、知恵を出し合って生活しているうちに、やがて荒廃した世界の正体が、文明の崩壊によって滅んだ『未来の地球』だと確信する。子供達は互いに協力して得意なものがある生徒が重役を担い、「国」のようなものを築く。大和小学校国の総理大臣となった翔は、生徒全員が仲間であり家族であるという意識をもち、規律正しい生活のもとで困難を乗り越えていけるよう努力をすることが大事だと説く。(本当に小学生かと思うぐらい翔ちゃんがしっかりしている)

 

しかし、飢餓や未知の事象に対する恐怖心から発狂する者や内部での対立伝染病の蔓延、唯一生き残った大人である関谷の暴走、化物怪物(未来人)の襲撃など、考えられる限りのとにかく色々な困難が翔ちゃん達に降りかかり、次々に生徒たちは犠牲者を出していく。

さらに、学校をタイムスリップさせた犯人が翔であったという噂が流れ、翔は孤立してしまう。

 

予想外の出来事が次々と発生し、親たちは子供達の帰還を諦める中、息子の帰還を信じる翔の母は、大和小学校5年生の西あゆみの不思議な力によって未来にいる翔と仲間達の手助けをしていた。(某ストレンジャーシングス的な……)

 

その後、学校を去ったはずの女番長()が瀕死状態で戻ってくる。彼女の口から富士山の麓に「天国」があると知らされた翔たちは、生き残った児童たちを連れて「天国」を目指して荒野を進む。翔たちがたどり着いた場所は未来の科学力で築かれたレジャーランドの残骸の残る場所だった。翔たちは、その奥に鎮座するコンピューターから、自分たちが元の世界に戻るための方法を聞く。

 

 元の世界に戻る方法を試すために翔達が小学校に戻ると、翔の存在を疎み対立する同級生の大友らのグループが飢餓による苦しみに耐え兼ねて翔たちに襲いかかってくる。

大友グループとの争いにより全ての真相が明らかになり、翔は大友グループと和解する。

 

天国コンピューターが語った帰還方法は「強大なエネルギーの発生によって次元の裂け目を生み出すこと」だった。大友の残したダイナマイトの最後の1本に望みを託し、翔たちは巨大なエネルギーを生み出すべくダイナマイトを爆発させるが、全員が帰還を望んでいなかったために失敗する。

落胆の中、翔は「荒廃した世界に取り残されたのではなく、自分たちは未来に蒔かれた種なのだ」と考え、ここに留まり世界を再建していくことが自分たちの選ぶべき道なのだとみんなに力強く語る。その時、過去の世界から母親の手で送られてきた援助物資がロケットで届く。

過去と未来の世界に繋がりが生まれたことに希望を見出した翔たちは、過去への帰還を諦める代わりに、ただ一人の幼稚園児のユウちゃんをなんとか過去の世界に送り届けようとする。ユウちゃんは、未来の地球を絶対に荒廃させないよう努力することを翔たちに誓い、みんなに見守られながら過去の世界へと戻っていく。

 

 翔が未来に来てから書き綴ってきた日記はユウちゃんの手から翔の母親へと手渡され、未来の世界で息子が元気に生きていることを知った翔の母は、涙を流しながらも天を見上げて未来の世界への希望に想いを馳せるのだった。

 

おしまい

 

息をつく暇もない怒涛の展開

とにかく次から次へと非常識な出来事が発生する怒涛の展開で飽きるどころか読んでるこっちが息切れするようなスピード感の溢れる作品。特に1〜3巻はページを捲る手が止まらない。

 

 母と喧嘩して学校に遅れて登校した主人公は爆発音と振動により学校ごと異世界へワープしてしまう。

 学校の敷地外には砂漠が広がっており、家に帰ろうとして砂漠に足を踏み入れた少年はその場で倒れて動かなくなってしまった。(砂漠は危険

 校内にいた先生達がラジオや電話など常識的に対応しようとするが、電波は届かず、電気も通っていないため電話も繋がらずパニックに。女性の先生はヒステリーで過呼吸を起こしてしまう。

 給食は届いているのか給食室へ行くと、給食のおじさん(関谷)が女生徒を人質に給食室に立てこもっている。先生達が犯人を説得しようとするが、油を撒かれて火をつけられる。

 大人が火傷をして動けなくなったので、高松翔ひきいる子供達が暴走する関谷と戦い、関谷を縛ってロッカーに閉じ込める。(関谷の乱-給食室の陣)

 大変な1日だったが、なんとか生徒全員が給食を食べて束の間の休息をとる。

 翌日、唯一の5歳児であるゆうちゃんが学校の外に出て「大和小学校862人の慰霊碑」を見つけることで、ここは未来の世界だということがわかる。

 絶望的な未来と、起きるはずのない日食などの現象を目の当たりにして、先生達は発狂したり、自殺したり、とうとう若原先生という若い男性の先生を残して大人は死んでしまった。

 

ここまでが1巻。もうなんだかいろんなところで問題や混乱が発生している上に大人が役に立たない。

さらに2巻からは唯一の先生も発狂して襲いかかってくるし、謎の美少女(おっちょこちょい)が出るし、母親と電話で交信できたり、恐怖心から出るデマにより魔女狩りが行われたり、魔女狩りといえば火炙りだったり、オアシスを見つけたと思ったら昆虫型の怪物に襲われたり、腹が減った生徒により給食が食べ尽くされたりする。さらにこの混乱に乗じてフェミ党が女による独裁政権を樹立しようとしたりと、まさにkhaos

 

この問題に冷静に対処し、大和小学校の生徒たちを導いて行くのが、我らが高松翔(翔ちゃん)。

ギャグみたいな強引さでことを進めるが、概ね小学校高学年とは思えない指導力で絶望のために自暴自棄な行動をしがちな生徒たちを導いていく。

 

前半(1-3巻)は外が砂漠になっちゃったことよりも、学校内で暴れ回る人間たちを抑えるのに苦労する翔ちゃんたちの姿が描かれる。

実は翔ちゃんに惚れている子や、翔ちゃんが好きな子も隠れて存在しているのだが、そんなイチャラブ・ドキドキ浮かれていような状態ではない。

漂流教室を読んだ後に、少女向けの恋愛漫画など読もうものなら、問題の小ささに辟易する。優が好きだろうが、銀太が大事だろうがそんなことはここではハナクソみたいな問題なのだ!

 

 

今日はここまで

続きは魅力的なキャラクター紹介結末への感想ですが、記事が長くなるのでまた次回

 マタヨンデネ―ヾ(●´・∀・`●)―!!

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今回私はメルカリで漂流教室全6巻を手に入れました!

映画1本分の値段でこの満足度は素晴らしい。

ネットで1冊ずつ揃えると安くても500円はするし、Kindleだと1巻638円だったのでメルカリがダントツでお得でしたヨ📗