日本現代怪異辞典
「かしま君」「紫の鏡」「きさらぎ駅」
90年代〜の怪談ブームの際に語られた学校の怪談や七不思議
ネットで語られた怖い話や都市伝説などを集めた怪異辞典
オススメ:⭐️⭐️⭐️
※星の付け方については↓の記事をご参照ください
作品概要
作者 朝里樹
出版社 笠間書院
発表時期 2018年
ページ数 1056ページ
備考 本書の他にも「日本怪異妖怪辞典」や「歴史人物怪異談辞典」「世界現代怪異辞典」など様々なオカルト辞典を出版している
あらすじ(本書の内容)
「赤いちゃんちゃんこ」「トイレの花子さん」「テケテケ」「メリーさん」
「ババサレ」など……
人気テレビ番組「あなたの知らない世界」の放送作家、新倉イワオ氏や
心霊研究科の中岡俊哉氏の影響を強く受けた90年代の怪談ブームの際に語られた
2000年代では「不幸の手紙」が進化した「恐怖のチェーンメール」や、2chの洒落怖板に掲載された話など、読んで懐かしい怪異が盛りだくさん。
「辞典」と呼ぶに相応しく、収集した階段は五十音順に掲載され、巻末には『怪異別索引』『出没場所索引』『使用凶器索引』『都道府県索引』などが並ぶ。
90年代の怪談ブーム真っ只中だった私には懐かしい本だった
「そうぶんぜ」逆から読むと「全部、嘘」。
「あぎょうさん、さぎょうご、いかに?」→あ行の3個目「う」、さ行の5個目「そ」
という昔流行した言葉遊びの怪談や、「リカちゃんの電話」「こっくりさん」「スクエア」など自らも実践したことのあるオカルト遊びなどもたくさん記載されていて面白かった。
個人的に面白かった話
トイレの花子さんは一族ぐるみで怪異化していた
花子さんのお母さん、お父さん、お爺さん、おばあさん、彼氏やハンカチまで怪談になっていたのは驚いた。
骨こぶり
同じタイトルで長野県の山村での林間学校での出来事や、ホネカミやホネコブリなどの葬式での習慣の総称として紹介した記事があるが、私が面白かったのは次の物語。
時は明治の終わり頃、一人の男子生徒が春休み後にガラリと人が変わった。肉や魚を食べなかったのに、やたらとそれらを好んで食べるようになり、優秀だった勉強や運動がめっきりできなくなった、おまけに夜中に人目を忍んで出かけるようになったという。
それに気づいた友人が夜中に彼の後をつけていくと、寄宿舎の裏にあった墓場で人骨を掘り起こし、しゃぶっているのを目撃する。友人は慌てて寄宿舎へ戻るが、男子生徒は彼を追って帰ってきて、やがて山姥の正体を表す。多くの寮生達が応援に駆け付け、友人は助かったが、しばらくしてこの男子生徒の白骨死体が見つかり、実は山姥と彼が入れ替わっていたのが判明した。という話。
ロア
信じようと信じまいと__から始まる差出人不明の手紙が届くと言う怪異。
その手紙には62のロア(噂話)が載っているが、あなたの知っているロアを1つ加えて他の人間に送れという指示がある。さらに、禁忌として、その中の10個までしか他人に話してはいけない。それを破るとあなたの名前が載った手紙がそのうち回り出すという。
この話には続きがあり、この手紙をもらったという人物が2chに書き込みをして10個のロアを披露したという。「あと52個のロアを知っているが、これ以上話すのは勇気がいります__明日の夜にでも話します」と書き込んだ。という話。
フィンガーさん
「コトリバコ」や「リョウメンスクナ」は知っていたが、これは知らない話だった。
真っ白な成人女性の指が芋虫のように床を這って動く。この指はある家の部屋から出られないと言う特性を持つものらしい。
その正体はかつてある家で人工的に作られた怨霊(呪い?)で、それを祀る事で家は繁盛する。その指を閉じ込める部屋は「ワラズマ」と呼ばれ、その作り方にも必ず仏間の隣に作るなどの法則があるという。
また、ワラズマのことは家の者以外には口外してはいけないなど、部屋に関する禁忌もある。
「現代」怪異。というタイトル通り
最近の話が多くオカルトファンには少し内容が物足りないかもしれない。
ネットで検索すればすぐに出てくるものが多かったり、昔の児童書で流行った「学校の怪談」シリーズからの引用が多く、残念ながら現時点では資料的価値は薄く、
暇つぶしのムック本として読むのをおすすめする。
この著者の本は以前に世界版の怪異辞典「世界現代怪異辞典」を読んだが
正直、そっちの方がまだ知らない話が多くて興味深かった。↓
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